みぃと歩む|みぃの最初の見立てノート

植物療法と出会った私は、みぃのために少しずつ食事やハーブについて見直し始めました。

いま振り返ると、これが私にとって最初の見立てノートだったように思います。

当時の私は植物療法家ではありませんでした。

ただ、みぃにできることはないだろうかと毎日考えていた飼い主でした。

まず取り組んだのは食事です。

それまでの私はドッグフードを総合栄養食なので信頼していました。

栄養バランスを考えると手作り食だけにする勇気がなかなかでなくて、

最初はドッグフード半分、手作り食はトッピングから始めました。

それと消化の負担を減らしたいと思い、フードはふやかしやわらかくしました。

みぃは幸いなことに、ごはんだけは多少速度は落ちていたけれどしっかり完食。

だから私は、

「食べること」

「眠ること」

を何より大切にしていました。

当時の私は、病気そのものだけを見るのではなく、みぃが持っている力を支えることが大切なのではないかと考え始めていたのです。

植物療法で、目と肝臓には深い関わりがあることこの時初めて知りました。

もちろん他の臓器についても深いかかわりについてを学んでいきました。

みぃはステロイド治療も続けていたため、肝臓への負担を一番に考え

そこで中心に使ったのが、

ダンディライオン(たんぽぽ)
胆汁の分泌を促し、肝臓のデトックスをサポートします。

ミルクシスル
肝臓を保護する代表的なハーブ。ステロイド治療中の肝臓ケアに欠かせない存在です。

クリバーズ
リンパの流れを良くして老廃物を排出。体全体のデトックスを助けます。

バードック(ごぼう)
血液を浄化し、肝臓の働きをサポートします。

などのハーブでした。

これらは、現在私が作っている「はじまりの結」の原型になったブレンドです。

食事では、

しじみ汁やレバー、じゃこなどを積極的に取り入れていました。

今ならもう少し違う組み立てもできると思いますが

食べることは、体が回復しようとしているサイン。

どんなに不安な時期も、みぃの食いしん坊なところに何度も救われました。

そしてハーブを取り入れて間もなく、ひとつの変化に気付きます。

みぃの毛が伸び始めたのです。

実は最初はなんか毛並みがあばれ始めて収拾がつかなくなってきたなぁと思ってたのですが

今までやったことのないブラッシングを始めたりもしました。

病気の改善とは直接関係ない小さな変化かもしれません。

けれど私は「体が何かがんばっているなぁ」と思い、嬉しかったことを覚えています。

体はひとつにつながっています。

だから目だけを見るのではなく、毛や皮膚、食欲や睡眠、うんちやおしっこまですべて見ていく。

そんな視点を少しずつ学び始めた時期でした。

今思えば、この頃に学んだことが現在の結の原型になっています。

病気を見るのではなく、その子を見る。

症状だけを見るのではなく、暮らしを見る。

そして飼い主さんと一緒に考える。

すべては、この「みぃの見立てノート」から始まりました。

みぃの見立てノートは、この後も続いていきます。

植物療法を学ぶ中で、私はペット栄養管理士やペット薬膳管理士の勉強を始めました。

そこで出会ったのが体質学です。

同じ病気でも、その子によって体の状態は違います。

年齢によっても違う。

季節によっても違う。

その時の暮らし方によっても違う。

みぃと暮らしながら、私は少しずつ「今、その子に何が起きているのか」を見る視点を学んでいきました。

体重の増減ひとつにも理由があり、食欲や睡眠、季節やライフステージも見立ての大切な材料になります。

今、私が見立てをするときに大切にしている考え方の多くは、この頃のみぃとの時間の中で育ててもらったものです。

みぃの見立てノートは、まだ始まったばかりです。

チーム結の植物ノート|いのちのバトン 見立てノート②

眠れなかった柴犬と、リラックスのハーブ&アロマブレンド

前回はやせ細ったラブラドールと、消化を助けるハーブブレンドについてお伝えしました。今回は、不安な夜に叫び続けていた柴犬のお話です。

推定10歳以上のシニアの柴犬。

震災の混乱の中で保護されたその子は、昼間は比較的落ち着いていても

夜になると強い夜泣きと徘徊が続いていました。

慣れ親しんだ匂い。

聞き慣れた音。

いつもの景色。

長年積み重ねてきた安心できる環境が、一瞬で失われてしまったのです。

また、シニア犬にとって環境の変化は大きな負担になります。

安心できる場所や習慣を失うことで、不安が強まり、昼夜のリズムが乱れてしまうこともあります。

「少しでも眠らせてあげたい」

その一心でブレンドを考えました。

この子の入り口はどこだったのか

夜鳴きが問題に見えましたが、私が特に気になったのは「眠れないこと」そのものでした。

眠れないと体は休まりません。

そして眠れない状態が続くと、不安や緊張はもっと強くなっていきます。

この子に、まず必要だったのは「安心して休める状態」を取り戻すこと。

そのため今回のブレンドは、

・不安や緊張をやわらげること

・眠るための土台を整えること

・体への負担をなるべく少なくすること

を大切に組み立てました。

今回のハーブブレンドについて

パッションフラワー

天然のトランキライザーとも呼ばれるハーブです。

神経の高ぶりをやわらげ、不安や緊張をほぐしながら、自然な眠りへと導いてくれます。

今回のブレンドの中心となった植物です。

カモミールジャーマン

リラックスを代表するハーブのひとつです。

副交感神経を優位にしながら、体と心の緊張をやさしくほどいてくれます。

そして胃腸の負担をやわらげて、消化の負担をおさえてくれます。

体を支えるハーブたち

今回のブレンドでは、不安や緊張に寄り添うハーブだけではなく、体の内側を守りながら整える植物も組み合わせました。

眠りのためのブレンドであっても、私は全体を支える視点を大切にしています。

植物療法では、目的となる働きだけを強めるのではなく、その子の体全体のバランスを見ながらブレンドを組み立てます。

そのため、リラックスを目的としたブレンドでも、私は体を守る植物を一緒に選ぶこともあります。

ハーブだけでは足りなかった——アロマの力を借りて

ところが、最初は大きな変化が見られませんでした。

長年積み重なった不安や習慣は、ハーブの穏やかな働きだけでは届きにくかったのかもしれません。

そこで香りの力を借りることにしました。

ラベンダー

リラックスと睡眠を代表するアロマです。

香りが脳へ直接届くことで、不安や緊張をやわらげ、心をほぐしてくれます。

オレンジフラワー(ネロリ)

深い不安や恐怖に寄り添うアロマです。

心に大きな負担を抱えた動物にも用いられることがあり、この子にとって大切な支えとなりました。

ます。

ハーブコンプレス(温湿布)で温かさと香りを届ける

現場のスタッフさんにお願いしたのが、ハーブコンプレス(温湿布)です。

ハーブを煮出したお湯にタオルを浸し、体にやさしく当ててもらいました。

温かさは体をゆるめ、香りは脳へ届く。

そして「手当て」の安心も届くように。

内側からはハーブを。

外側からは温かさと香りを。

その両方から寄り添う方法でした。

ほんの少し、眠れた夜

数週間後、こんな言葉が届きました。

「ほんの少しですが、眠ってくれるようになりました」

劇的な変化があったわけでも、一晩ぐっすり眠れた、というわけでもない。

それでも、夜通し叫んでいた子が少しだけ静かな時間を持てた。

人も動物も、眠れない夜は心と体を少しずつ削っていきます。

反対に、短くても眠れた時間は、翌日を支える力になります。

あの柴犬が眠れた「ほんの少しの時間」は、きっと体と心を守る大切な時間だったのだと思います。

植物療法では、症状だけを見るのではなく、その子の体と心と暮らしの全体を見ながら見立てを行います。

チーム結でも、まずはお話を伺いながら、その子にとっての「入り口」を一緒に探していきます。

ハーブやアロマたちはそのための心強い仲間です。


次回は、腫瘍を抱えて術後のむくみに苦しんでいたセッターと、デトックスのハーブブレンドについてお話しします。🌿

🌿🐶いのちのバトンシリーズを読む👉こちら

チーム結の植物ノート|いのちのバトン 見立てノート① 

食べられなかったラブラドール

いのちのバトンシリーズを読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。

シリーズはこちらからお読みいただけます。

このシリーズでは、命と向き合う時間のことを書いてきました。

ここからは『結ノート』として、植物療法の世界をもう少し具体的にお話していきます。

まずお伝えしたいのは、チーム結では“症状だけでハーブを選ばない”ということ。

同じ『食べない』でも、不安が原因なのか、それとも消化する力そのものが落ちているかでは、選ぶ植物もアプローチも変わります。

今回は、震災後に出会ったラブラドールの子の見立てについてお話しします。

やせ細っていたラブラドール

食べないことが問題のようにも見えましたが、私はまず「消化する力」そのものが弱っていると考えました。

震災による強いストレスは自律神経のバランスを崩し、胃腸の働きを低下させます。

どれだけ栄養価が高く、良いフードを選んだとしても、

食べる力
消化する力
吸収する力

がなければ体は回復しにくくなります。

そこで今回のブレンドは

・胃腸を守る
・消化を助ける
・栄養を届ける
・排泄を促す

という4つの柱で組み立てました。

植物療法では、一つの働きだけを見るのではなく、体全体の流れを考えてブレンドを組み立てます。

ハーブは一種類でも、もちろん使うことはできますが、植物療法では組み合わせによって働き方が変わります。

相性の良い組み合わせもあれば、目的(お薬との相性や体質など)によっては避けたい組み合わせもあります。

そのため私は、その子の状態を見ながら毎回ブレンドを考えています。

今回はその主役を支えるハーブとして

カモミール

胃腸を守りながらリラックス

ダンディライオン

消化を助ける

ネトル

栄養を届ける

その他にも数種類のハーブを組み合わせ、全体の流れを整えるブレンドにしました。

ふりかけのように、毎日少しずつ

現場のスタッフさんへの負担を極力減らせるように、ハーブを細かく粉砕し、フードにふりかけのように使っていただける形でお届けしました。

劇的な変化がすぐに起こるわけではありません。

ハーブは薬のように何かを押し上げるのではなく、体の土台を少しずつ整えていくものです。

だから大切なのは、特別なことをすることではなく、無理なく続けられること。

毎日のいつものごはんにひとさじ。
その小さな積み重ねを続けていただきました。

数週間後には少しずつ食べる量が増え、2か月後には

「ふっくらしてきました」という報告が届きました。

体が整うと、心も少しずつ安定していきます。

命を支える土台はとてもシンプルで、よく食べて、よく眠ること。

そして、その土台は毎日の小さな積み重ねの中で育っていくのだと、

あのラブラドールが教えてくれました。

その後、この子は新しい家族のもとへ迎えられました。

どんな名前になったのか。
どんな暮らしをしているのか。
その後のことは分かりません。

でも、あの子のいのちは確かに次の人へとつながっていきました。


次回は、不安な夜に鳴き続けていた柴犬と、リラックスのハーブブレンドについてお話しします。🌿