― 胆泥症、ごはんのこと、そしてロングヘアになったみぃー
みぃは血統書ではロングヘアでした。
けれど、わたしが想像するほど毛が伸びませんでした。
もしかして、どこかでスムースの血が入っているのかな。
パイボールドの柄を見ると、ジャックラッセルテリアの血が混ざっているのかな。
そんなふうに、いろいろ想像していました。
トリマーさんには
「カットしなくていいね」
なんて言われて。
シャンプーも楽でしたし、
それもみぃの個性なのかな、くらいに思っていたのです。

あとから気づいた、小さなサイン
そしてその原因を後から気付くことになるんです。
あれは、体からの小さなサインだったのかもしれないと。
みぃはパピーのころから胆泥症がありました。
胆汁が出にくいので肝臓に負担がかかり、消化吸収もうまく働かないと、
栄養は体のすみずみまで届きにくくなります。
毛や皮膚は、そんな小さな変化を静かに映し出します。
毎日見ていると気づきにくいけれど、
体はずっと、サインをくれていたのかもしれません。
4歳の冬、毛が変わった
4歳のとき、
みぃはアレルギー性ブドウ膜炎を発症しました。
そこから食事を見直し、体を整えるには、
毎日のごはんがいちばん大切なのかもしれない。
その思いから、少しずつ手作りごはんに切り替えました。
同時に、みぃの体を支える植物の力も、少しずつ学びました。
胆汁の流れを助け、食欲や唾液を促すダンディライオン。
肝細胞の再生を支えるミルクシスル(マリアアザミ)
当時はまだ名前もありませんでしたが、
いま「はじまりの結」と呼んでいるブレンドの原型は、このころ生まれました。
そして食事に意識してとり入れたのは、
ブロッコリースプラウト、しじみ汁、レバーなど。
このころ、ミドリイガイをすすめてもらったことがありました。
「犬って貝も大丈夫なんだ」
そう驚いたのを覚えています。
からだやおなかの調子を見て
食べても大丈夫ですと教えていただいたので、貝類も少しずつ試しました。
しじみ、あさり、牡蠣。どれも大丈夫で
お腹をこわさないことを確かめながら続けているうちに、みぃはすっかり牡蠣好きになりました。
犬も猫も、
それから小さな子どもたちもそうですが、
大好きな人が「おいしい」と感じているものを見て、
それを覚えていくのだそうです。
だから新しいものを食べてほしいときは、
まず自分が何度もおいしそうに食べて見せるといい。
そんなことを教えてもらったことがあります。
たしかにみぃは、
わたしが好きなものを、よく真似して好きになりました。
牡蠣もそのひとつ。
夕食のたびに腕をぺしぺし叩いて(結構痛い)
「それ、わたしも食べられますよね?」
とでも言いたげに見上げる姿が、いまも目に浮かびます。
そんな毎日を続けるうちに、
少しずつみぃの体に変化があらわれました。
それまで伸びなかった毛が、
驚くほどふわりと伸びはじめたのです。

ロングヘアらしく、やわらかい。
胸元も、耳の飾り毛も、しっぽも。
少しずつ伸びて育っていきました。
その変化を見たとき、
「ああ、栄養がちゃんと巡るって、こういうことなんだ」
みぃの体を通してそう教えてもらいました。

体はいつも、静かに教えてくれている
元気そうに見えても、
体はほんの小さなサインを送っていることがあります。
毛並みや毛の伸び方も、そのひとつ。
みぃが教えてくれたのは、
体の声はいつも、とても静かだということでした。
あのころは「これも個性かな」と思っていましたが
いま振り返ると、みぃはずっと体の声を送ってくれていたのだと思います。
毎日そっと触れて、顔を合わせて、話をして。
その積み重ねが、いつか意味を持つ日がくる
そんなふうに思っています。
みぃは自分の毛並みを通してそんなことを教えてくれました。
「はじまりの結」は、
みぃの体が教えてくれた、小さな希望の記憶です。
