手術を乗り越えた後に待っていたこと
いのちのバトン 見立てノートの最終回です。
今回は腫瘍を抱えて緊急手術を受けた、推定10歳のセッターのお話です。
この子は腫瘍を抱えており、被災という極限状態の中で緊急手術を受けることになりました。
手術は無事に終わりましたが、その後、大きな課題が発生。
それは「術後の強いむくみ」でした。
体の大きなセッターは回復にも時間がかかります。
リンパの流れが滞り、体全体に水分がたまっているようなパンパンの状態。
「少しでも動きやすく、楽にしてあげたい」
そのためにまず考えたのが、このむくみの入り口はどこにあるのかということでした。
この子の入り口はどこだったのか
むくみにはさまざまな原因があります。
リンパの流れが滞っているのか。
心臓の働きが弱っているのか。
あるいは、代謝が追いついていないのか。
高齢であること、そして術後であることを考えると、心臓への負担も十分に考えられました。
だから今回は、リンパだけではなく心臓への配慮も含めてブレンドを組み立てることにしました。
今回のハーブブレンドを選んだ理由
クリバーズ
リンパの流れを助け、老廃物の排出を促すハーブです。
リンパは血管に沿って全身に流れています。
リンパの流れが整うことで、体全体の巡りも助けられます。
今回のむくみへの中心的なアプローチとして選びました。
カレンデュラ
粘膜を保護しながら、リンパの流れもやさしく支えてくれる植物です。
術後の体に寄り添いながら、傷の回復を助ける役割を担ってくれました。
ホーソン(サンザシ)
心臓と血液の流れを支えることで知られるハーブです。
高齢犬の術後という状況を考え、心臓への負担にも配慮しながら選んでいます。
クリバーズでリンパを支え、ホーソンで血液の流れを支える。
どちらか一方ではなく、両方の可能性をふまえてハーブを選んでいます。
エキナセア
術後の体は回復のためにたくさんの力を使います。
エキナセアは体が本来持つ防御機能を支えながら、回復期の体をサポートするために選びました。
今回はむくみだけではなく、手術後の体全体を見ながらブレンドを組み立てています。
ごはんも大切なケアのひとつ
ハーブだけではなく、食事からのサポートも提案しました。
術後の体に必要なのは、消化しやすく栄養価の高い食事です。
そして意識したのが、余分な水分の排出を助ける栄養素を含む食材でした。
オートミール
消化がよく、栄養価も高いため、術後の体にやさしい主食としてご提案しました。
水分代謝を支える食材
体にたまった余分な水分の排出を助けながら、回復を支えるための食材を取り入れました。
ビタミンやミネラルを含む食材
術後の体力回復には、栄養をしっかり届けることも大切です。
消化への負担を減らしながら、必要な栄養を補えるよう工夫しました。
「頑張らせる」のではなく、「整えていく」
ハーブも食事も、私が大切にしていることは同じです。
弱った体を無理に頑張らせるのではなく、元から整えていくこと。
体が本来持っている力を発揮しやすい状態をつくること。
その積み重ねが回復への近道になると思っています。
見立てノート3回シリーズを終えて
シリーズをお読みいただきありがとうございました。
今回は「いのちのバトン」で出会った3頭の見立てをご紹介しました。
ラブラドールの入り口は「消化」でした。
柴犬の入り口は「安心」でした。
そしてセッターの入り口は「巡り」でした。
同じ被災動物支援でも、その子によって見えている景色はまったく違いました。
だから私は、まずどこが原因なのかな?から探します。
何に一番困っているのか。
どこから整えていけばいいのか。
植物療法は、植物を選ぶことよりも、その前の見立てがとても大切です。
飼い主さんは、その子を一番近くで見ている存在だからこそ
気づける変化がたくさんあります。
いつもより元気がない、ごはんをちょっとだけ残した、いつもよりお水をたくさん飲んでるけど・・などです。
そして「これってどうなんだろう?」と思ったとき、
一緒に入り口を探していくのがチーム結の役目です。
体だけでなく、心や暮らしも含めて。
その子らしい毎日を取り戻すお手伝いができたらうれしく思います。
これからもチーム結の植物療法ノートでは、見立てのことやこれまで出会った子たちとの記録を少しずつ綴っていこうと思います。
いのちのバトンシリーズは👉こちら

