食べられなかったラブラドール
いのちのバトンシリーズを読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。
シリーズはこちらからお読みいただけます。
このシリーズでは、命と向き合う時間のことを書いてきました。
ここからは『結ノート』として、植物療法の世界をもう少し具体的にお話していきます。
まずお伝えしたいのは、チーム結では“症状だけでハーブを選ばない”ということ。
同じ『食べない』でも、不安が原因なのか、それとも消化する力そのものが落ちているかでは、選ぶ植物もアプローチも変わります。
今回は、震災後に出会ったラブラドールの子の見立てについてお話しします。
やせ細っていたラブラドール。
食べないことが問題のようにも見えましたが、私はまず「消化する力」そのものが弱っていると考えました。
震災による強いストレスは自律神経のバランスを崩し、胃腸の働きを低下させます。
どれだけ栄養価が高く、良いフードを選んだとしても、
食べる力
消化する力
吸収する力
がなければ体は回復しにくくなります。
そこで今回のブレンドは
・胃腸を守る
・消化を助ける
・栄養を届ける
・排泄を促す
という4つの柱で組み立てました。
植物療法では、一つの働きだけを見るのではなく、体全体の流れを考えてブレンドを組み立てます。
ハーブは一種類でも、もちろん使うことはできますが、植物療法では組み合わせによって働き方が変わります。
相性の良い組み合わせもあれば、目的(お薬との相性や体質など)によっては避けたい組み合わせもあります。
そのため私は、その子の状態を見ながら毎回ブレンドを考えています。
今回はその主役を支えるハーブとして
カモミール
胃腸を守りながらリラックス
ダンディライオン
消化を助ける
ネトル
栄養を届ける
その他にも数種類のハーブを組み合わせ、全体の流れを整えるブレンドにしました。
ふりかけのように、毎日少しずつ
現場のスタッフさんへの負担を極力減らせるように、ハーブを細かく粉砕し、フードにふりかけのように使っていただける形でお届けしました。
劇的な変化がすぐに起こるわけではありません。
ハーブは薬のように何かを押し上げるのではなく、体の土台を少しずつ整えていくものです。
だから大切なのは、特別なことをすることではなく、無理なく続けられること。
毎日のいつものごはんにひとさじ。
その小さな積み重ねを続けていただきました。
数週間後には少しずつ食べる量が増え、2か月後には
「ふっくらしてきました」という報告が届きました。
体が整うと、心も少しずつ安定していきます。
命を支える土台はとてもシンプルで、よく食べて、よく眠ること。
そして、その土台は毎日の小さな積み重ねの中で育っていくのだと、
あのラブラドールが教えてくれました。
その後、この子は新しい家族のもとへ迎えられました。
どんな名前になったのか。
どんな暮らしをしているのか。
その後のことは分かりません。
でも、あの子のいのちは確かに次の人へとつながっていきました。
次回は、不安な夜に鳴き続けていた柴犬と、リラックスのハーブブレンドについてお話しします。🌿

